2019/12/1 日韓問題に取り組んできた研究者、関係者等による討論集会「日韓関係改善の道」が開催されました。
日韓条約、サンフランシスコ条約体制、徴用工問題、大法院判決、慰安婦問題など幅広いテーマに関して、突っ込んだ意見交換がなされました。
主催:声明「韓国は「敵」なのか」呼びかけ人世話人
11/20 日韓法律家による共同宣言が、両国同時に記者会見発表されました。法律家の立場から、本件は本質的には強制動員被害者の人権回復の問題であるとして、関係者に迅速な救済措置の努力を求めたものです。
強制動員問題に関する日韓法律家による共同宣言
2018年10月30日の元徴用工被害者に対する韓国大法院判決以降、日韓両国の政府間での激しい対立が続き、両国関係は「最悪の事態」と言われています。
元徴用工問題をめぐっては、専ら政治的・外交的問題として取り上げられています。しかし、本質的には、徴用工や勤労女子挺身隊などとして意に反して動員され、給料もまともに支払われずに過酷な労働を強いられるという重大な人権侵害を受けた被害者(強制動員被害者)の人権回復の問題です。
この問題の解決は、悪化している日韓関係を改善し、日韓両国の市民の相互理解・相互信頼を築き、真に人権が保障される社会を作るために避けてとおることのできない課題といえます。
このような立場から、私たちは法律専門家として、強制動員問題の解決のために、下記のとおり、個人賠償請求権等の法的問題に関する見解を表明するとともに、日韓両国政府及び日本企業に対し、解決に向けてとり組むよう要求します。
記
1 日韓請求権協定第2条1項は、請求権の問題は「完全かつ最終的に解決された」と定めています。しかし、この協定によっても、強制動員被害者の個人賠償請求権は消滅しておらず、未だに解決されていません。
これは2012年及び2018年に出された韓国大法院の判決で確認されただけでなく、2007年に出された日本の最高裁判所判決、そして日本政府が表明した立場を通じても確認することができます。
2 韓国大法院の判決は、被害者の権利を確認し被害を回復するため適正な訴訟手続きを経て出された結論であり、尊重されなければなりません。
法治主義(法の支配)の下、確定判決を受けた日本企業(日本製鉄及び三菱重工業)は、被害者原告の権利回復のために、確定判決を受け入れなければならず、日本政府は日本企業による判決の受け入れを妨害してはなりません。
3 日韓両国政府及び被告とされている日本企業は、強制動員被害者の名誉と権利を回復するために、ドイツにおける「記憶・責任・未来」基金や、中国人強制連行・強制労働事件における日本企業(鹿島建設,西松建設及び三菱マテリアルなど)と被害者との和解に基づく基金による解決なども参考にしながら、必要かつ可能な措置を迅速に図るよう求めます。
2019年11月20日
(呼びかけ団体・50音順)
【日本】
大阪労働者弁護団 代表幹事 森 博 行
社会文化法律センター 共同代表 宮 里 邦 雄
自由法曹団 団 長 吉 田 健 一
青年法律家協会弁護士学者合同部会 議 長 北 村 栄
日本民主法律家協会 理事長 右 崎 正 博
民主法律協会 会 長 萬 井 隆 令
徴用工問題の解決をめざす日本法律家有志の会(略称「日本有志の会」)
〈青木有加・足立修一・岩月浩二・殷勇基・内田雅敏・大森典子・川上詩朗・在間秀和・張界満・山本晴太〉
【韓国】
労働人権実現のための労務士会 会 長 朴 成 雨
民主社会のための弁護士会 会 長 金 鎬 喆
民主主義法学研究所 会 長 李 桂 洙
法律院(民主労総・金属労組・公共運輸労組・サービス連盟)
代表弁護士 權 斗 燮
人権法学会 会 長 朴 燦 運
全国不安定労働撤廃連帯法律委員会 委員長 崔 銀 實
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弁護士:102 人、研究者: 21 人、団 体: 1 団体、計 124 (2019 年11 月20 日現在)
一年前、大法院は、日韓両政府が妥協の産物として結んだ日韓請求権協定が曖昧にして長年放置してきた強制動員被害者の救済を命じました。被害者のために日韓両政府、そして強制動員に関わった企業が知恵を出し合って、一日も早く問題解決を図ることを強く求める共同声明を、下記2団体が10/30に発表しました。
日本製鉄元徴用工裁判を支援する会
強制動員問題解決と過去清算のための共同行動